はじめに

はじめまして。わたしたちは、VOX OF JOY Choirという設立10年を迎えたゴスペルグループです。もともと「愛・感謝」を伝えるために活動するゴスペルを歌う合唱団でしたが、2019年から、メッセージを伝えるために「ミュージカル」という表現に挑戦して、2022年に初のオリジナル作品を生み出しました。「Sign～天使からの贈り物～」という作品です。

この作品でテーマとしたのは、ＡＩと人間の共生、人間の創造性を育むための身体性（本を読むという行為）の重要性です。

＜ものがたり＞

図書館は、本を借りるだけじゃない、イマジネーションに満ちた世界。そこには、直感と感性を磨き、インスピレーションを受け取る出会いがあるはず。

小さな頃から、物語を書くのが大好きなハル。いつしか、人型ＡＩのマリと共に、小説家を目指して執筆活動にいそしむように。マリがデータベースをもとに次の展開を提案する。かつては、ワクワクしながら通っていた図書館も、ハルにとっては単なるネタ探しの場所に。

そんなハルを悲しそうに見つめる見習い天使キーナがいました。ハルが生まれたときに与えられた「ひとりひとり生きる意味があるというメッセージを届けるために小説を書く」というミッションをクリアさせるために、ハルを導こうと奮闘しました。果たして、キーナが送るサインは、ハルに届くのか？

ＡＩにとってかわられようとする人間の創造力。デジタル社会に生きる私たちが、子供たちに残していける人間の存在価値を問う物語です。

＜ＡＩによる創作活動と私たち人間の関係＞

2022年2月に「Sign」の初演が終わってから約2週間後。「ＡＩとつくった小説」が日本のある文学賞で初入賞しました。人間以外の作品は応募数の４％を占めるそうです。

ＡＩが次々とコンテンツを生み出し続ける時代は、未来のフィクションではなく、もはや現在の話になっています。創作活動は、処理能力が遅い人間がやるよりも、デジタルに任せてしまった方が早いのかもしれません。それでも、私たちはミュージカルをつくり、メッセージを届けたいと思います。

いま、私たちはこの作品を石川県県立図書館で再演しようとしています。特に、中高生などの若い方々に届けたいと思い、プロジェクトを進めています。それは、気になる調査結果に出会ったからです。

日本の子どもたちは創造性に自信がない？

アドビ システムズ 株式会社が実施した調査によると、日本のＺ世代（12～18歳）は、自らを「創造的」だと答えた率が、たった８％だとか。これは、他国の同世代（平均44％）に比べてもとても低い水準です。これから彼らが生きていく社会では、ますます新しい価値を生み出す創造力が求められます。それにもかかわらず、日本の子どもたちは、「創造的であること」は、一部の限られた人たちのことを指していると考えている可能性が高いのです。

それだけでなく、卒業後の将来に対しても不安を抱えている子どもが多いという結果が明らかになりました。

（調査結果のインフォグラフィックはこちら）

このままでは、日本の子どもたちは、未来を自分たちの手で創り上げていく自信がないまま、社会に出てしまうことになってしまいます。

子どもたちの創造性を育むプロジェクト

私たちは、子どもたちの創造性を育むためには、実際に創造の現場に関わることが大切だと考えています。

子どもたちの創造性を育むことは、一朝一夕には実現できないですが、自分たちにできることから、まずは２つのプロジェクトに取り組みたい思います。

１）創造性の扉を開く「きっかけ」としての「ミュージカル図書館公演」を実現させる

２）学校への出前ワークショップによって「創造力」を育む場を実現させる

このプロジェクトによって、身体性をともなった創造性の扉を開きます。

これまで、いしかわ文化振興基金の支援をいただき、ジュニアワークショップを開催し、オリジナルミュージカル「Sign～天使からの贈り物～」を題材として「ワークショップパッケージ」をつくりました。ワークショップでは、小学生から高校生まで９名の方々に参加していただき、実際に身体を使って「Sign」のワンシーンをつくりあげる経験をしてもらいました。

この取組みは２つの意味で子どもたちの創造性に影響をあたえることができると確信しました。ひとつは、ワークショップを通じて実際に身体を使って演じることを通じて。もう一つは、演じる題材を通して「図書館に行って、本を読み、自分の頭で考えることやインスピレーションを受け取ることの大切さ」に気づくことによって。

さらに、このミュージカルには、一人一人の人生には脚本があって、その脚本を書いているのは天使であるという基本設定があります。子どもたちが、今後の人生で辛いことがあっても、自分は見守られていて、愛されている存在だということを感じてもらえれば、創造性のベースとなる自己肯定感を育むことにもつながります。

さっそく学校に向けて、ミュージカルを活用した「創造性を育むプログラム」を提案したところ、興味を持ってくださる学校はありました。しかし、教育現場の予算は限られており、プロジェクトに共感していただいたとしても、講師の方々を招いたり、舞台装置をつくるための実費を賄うことができず、実現にはいたっていません。

そこで、未来をつくる子どもたちの創造性を育むために、私たち大人の力を合わせることにしました。

支援の使い道

いただいたご支援は、「ミュージカル図書館公演」と「学校への出前ワークショップ」に活用させていただきたいと考えています。同時に、このクラウドファンディングを通して、一緒に取組みを進めてくださるモデル校も見つけられたら嬉しいです！

図書館公演は2023年3月19日で開催が決定しており、学校への出前ワークショップは、2023年度の実施に向けて、クラウドファンディングを含めて資金調達中です。

＜支出計画＞

図書館公演　舞台費　180万円

図書館公演　会場費（稽古含む）39万円

図書館公演　記録費　30万円

学校ワークショップ　講師関係費　40万円

学校ワークショップ　舞台制作費　100万円

計　389万円

＜収入計画＞

いしかわ文化振興基金より　100万円（採択済）

チケット収入（120席×3000円×3公演）　108万円

図書館公演参加費等 　　　　81万円

クラウドファンディング　　100万円

計　389万円

さいごに－自分たちの手で未来をつくる　　　　　　　　　　　　

子どもたちへのミュージカルワークショップを通じて、気づいたことがあります。それは、子どもたちの「面白い！」や「ワクワクする！」というキラキラした目が、未来をつくる原動力だということ。難しい課題に取組み、何度も失敗しながら少しずつ上達し、そして堂々と人前でそれを披露するという「つくる」行為の原体験は、これから子どもたちが生きていくであろう「ＡＩとの共生社会」においても、主体的に生きていくために必要な経験となります。

新しい学習指導要領でも「子供たちに、情報化やグローバル化など急激な社会的変化の中でも、未来の創り手となるために必要な資質や能力を確実に備えることのできる学校教育を実現する」という方針が明らかになっています。

新しい価値を創造する力を育むことは、めまぐるしく変化する社会の中で、自分たちの手で未来をつくることにつながります。未来を育てる力＝子どもたちの創造力を育むために、皆さまのご支援とご協力をお願いいたします！

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【プロフィール】

VOX OF JOY Choir

中田理恵子　VOX OF JOY Choir　代表

金沢市在住。３歳より鍵盤楽器をはじめ、ピアノ・エレクトーン・ドラム・パーカッション・ヴォーカル・音楽理論を学ぶ。演奏家、指導者、作編曲家として金沢を中心に活動中。2001年渡米。NYハーレムにてゴスペルクワイヤーに所属し演奏活動を行う。帰国後、コーラス・ユニットVOX OF JOYを発足。指導者としては、県内外のゴスペルクワイヤーのほか、高校コーラス歌唱指導、キッズクワイヤー、学校コンサートやワークショップで、100人規模のレッスンも行っている。作編曲家としては、『We Love …～Ishikawa Song～』『Go to see the light』などVOX OF JOYのオリジナル曲のほか、『中能登町町歌』なども手がける。

「Sign～天使からの贈り物～」では全楽曲を書下ろし。

【これまでの活動】

2002年5月　VOX OF JOY 結成
2012年5月　VOX OF JOY Choir結成
2019年6月　VOXミュージカルプロジェクトスタート
　ミュージカルワークショップで仲間を集めながら研鑽を積む
2022年2月　ミュージカル「Sign」初演＠金沢市民芸術村
2022年10月　ジュニアミュージカルワークショップ開催
2022年11月　図書館公演に向けてオーディション開催
2022年12月　学校出前ワークショップに向けて企画スタート

【今後の予定】

2023年3月19日　Sign図書館公演　公式サイト
2023年4月～　学校出前ワークショップスタート